外壁塗装にはさまざまな種類の塗料が使われています。それぞれの特徴を知ることで、適切な塗装ができるようになるため、覚えておくと便利です。
今回は外壁塗装に使われる塗料の種類と特徴をご紹介いたします。
■外壁塗装に使われる塗料の種類
外壁塗装の塗料は、それぞれ包含している樹脂成分が異なり、金額や耐久年数にも差があります。各塗料の特徴や性能について押さえ、外壁塗装を行う際にお役立てください。
・アクリル系
アクリル系塗料は、リーズナブルで発色に優れているのが特徴です。その反面、汚れやすく紫外線に弱いため、耐久年数は約5～8年とされています。こまめな塗り替えが必要なため、臨時の建物の外壁塗装や、何度も塗り替える部分の塗装によいでしょう。
・ウレタン系
アクリル系塗料の次に安価であるのがウレタン系塗料です。防水性・耐水性を兼ね備え、金額と性能のバランスが取れています。耐久年数は約7～10年とアクリル系塗料よりも長めですが、その他の塗料よりは短いです。
ただし、密着性がよく木や金属などの素材にも合うため、低コストで塗装したい方にはおすすめです。
・シリコン系
シリコン系塗料は、見た目の仕上がりがよく、耐久性や耐候性、弾力性に優れているのが特徴
です。ウレタン塗料よりも多少費用がかかるものの、費用と性能のバランスがよく、納得のいく仕上がりが期待できます。約10～13年という比較的長い耐用年数が期待され、一般的な住宅の外壁塗装に人気です。
・フッ素系
フッ素系塗料は、耐久性・耐候性・撥水性に高い効果があります。約12～15年の耐久年数があり、フッ素系塗料ならでは美しいツヤが失われることも、色褪せることもなかなかありません。
一方で、汚れやすい、ヒビが入りやすい、ほかの塗料に比べて高価というデメリットがあることも押さえておきましょう。
・無機系
無機系塗料とは、石やレンガ、ガラスなどの無機物（鉱物）が使用された塗料のことです。紫外線や雨水の影響を受けず、約15年以上の耐久年数があると言われています。変色しにくく汚れが付きにくいですが、ヒビ割れやすく、費用が高額になるのが難点です。
・ラジカル系
ラジカル系塗料はラジカルと呼ばれる劣化因子を抑える塗料です。耐久性・耐候性が高いほか、防藻・防カビ性に特化し、粉状の顔料が表面に浮き出る「チョーキング現象」のリスクも防ぎます。モルタルや鉄、木などの素材にマッチしますが、開発されてから日が浅いため、取り扱いに不慣れな業者もいるのが現状です。
■外壁塗装の選び方
外壁塗装に使われる塗料には、あらゆる種類と特徴がありますが、どれを選べばよいのか迷ってしますよね。次に紹介する選び方を参考に、住宅に合った塗料を選びましょう。
・保護機能
できるだけ塗り替えを少なくして住宅の寿命を伸ばしたい場合は、保護機能に目を向けましょう。先述したように、耐候性のある塗料は耐久年数が長い傾向にあります。
また、防水性の高い塗料は外壁のヒビ割れや住宅内部への雨水の侵入を防ぐことが可能です。耐候性や防水性などを追求すると初期費用が高くなりがちですが、その分耐久年数が伸び、メンテナンス費用を抑えられますよ。
・外観を美しくしたい
外観を美しく保ちたい場合は、汚れを防ぐ、または汚れを落とす性能の塗料を選びましょう。代表的な塗料に親水性の高い「低汚染塗料」があり、撥水性塗料とは反対に水をはじきません。そのため、雨が降ったときには雨水が外壁の汚れを洗い流し、ツヤのあるきれいな外観を維持できます。
また、無色透明な「クリヤー塗料」という塗料もあり、既存の外壁に上塗りすることで、外壁本来のデザインを生かしたり、新築当時の美しい色合いを維持したりできます。
・色を考える
外壁塗装は、住宅のイメージチェンジが図れるのもよい点ですよね。色にこだわる場合は、カラーバリエーションに富んだ塗料をチェックしてみてください。
その際、住宅周辺の建物や景観に合う色を選択すると、調和がとれた印象になります。反対に目立たせたいときは、周辺であまり使われていない色を選択するとよいでしょう。
・周辺環境を考える
住宅がどのような環境や立地にあるのかも重要なポイントです。たとえば住宅が海近くに建っている場合、「塩害」という劣化現象が生じます。塩害とは、潮風に含まれる海水の塩分が外壁に付き、腐食や劣化招いてしまうことです。そうした事態を避けるため、フッ素系・無機系・アクリルシリコン樹脂系などの塩害に強い塗料を選びましょう。
・壁材との相性
使いたい塗料が住宅の外壁素材と合っているとは限りません。場合によっては、外壁が持つデザイン性を損なってしまったり、トラブルや劣化の原因になったりすることがあります。外壁に使用されている素材について知り、よさを生かした塗装または耐久性を伸ばす塗料を選択しましょう。
わからない場合は、業者に相談することをおすすめします。
■まとめ
外壁塗装に使われる塗料には多くの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。どのようなポイント、性能にこだわるのかをよく吟味して外壁塗装を選ぶのが大切と言えるでしょう。
