
外壁は見た目の美しさだけでなく、耐久性やメンテナンス性、さらには断熱性や防音性など、住宅の快適性にも大きく関わる重要な要素です。
しかし、外壁は種類が非常に豊富なので、「どの種類を選べばいいのか分からない」「コストや耐久性の違いを知りたい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、戸建てで人気の外壁材の種類と特徴を詳しく解説します。
選び方のポイントや既存の外壁を見分けるコツまで徹底的にご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
外壁材の種類や特徴は?
外壁材には多くの種類があり、それぞれに異なる素材の特性や施工方法、メンテナンス性があります。
住宅の外観を美しく保ち、長く快適に暮らすためには、それぞれの外壁材のメリットとデメリットを理解することが大切です。
そこでここからは、代表的な7種類の外壁材について、その特徴や向いている住宅スタイルなどを詳しくご紹介します。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、セメントと繊維質を主成分としており、国内の戸建て住宅でもっとも多く採用されている外壁材です。
デザインのバリエーションが豊富で、レンガ調や木目調、石目調などさまざまな仕上がりを選ぶことができます。
また、耐火性や耐震性に優れ、比較的安価で施工しやすいのも特徴です。
一方で、目地に使用されるシーリング材の劣化や、表面の塗装の経年劣化があるため、定期的な塗装メンテナンスが必要になります。
適切なメンテナンスを行えば耐久性を保ちやすく、コストパフォーマンスのよい外壁材といえます。
金属系サイディング
金属系サイディングは、ガルバリウム鋼板やアルミ、ステンレスなどの金属を使用した外壁材で、スタイリッシュなデザインと高い耐久性が特徴です。
軽量で建物への負担が少なく、耐震性にも優れているほか、防水性が高くさびにくい処理が施されているので、さまざまなエリアで採用することができます。
しかし、金属という特性上、断熱性が低いので、断熱一体型を採用したり適切な断熱材と組み合わせたりすることが重要なほか、へこみや傷ができやすい点も注意が必要です。
なお、その見た目から、シンプルモダンなデザインを求める方に適した外壁材です。
木質系サイディング
木質系サイディングは、木材や木材チップを原料に成型した外壁材で、自然な風合いや温かみのあるデザインが魅力です。
和風住宅だけでなく、ナチュラルテイストの洋風住宅にもよく合います。
木材繊維板系やセメント板系、再生木材系などの種類によって、価格や耐久性が異なります。
木材は水分や紫外線の影響を受けやすいので、定期的な塗装や防腐処理によるメンテナンスが必要です。
ただし、経年変化の具合を楽しみたい方や、自然素材にこだわる方にはおすすめの外壁材です。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を主成分とした外壁材で、特に北米やヨーロッパで広く普及している特徴があります。
軽量で施工しやすく、耐水性が高いため、塗装メンテナンスが不要なのが大きなメリットです。
また、さびることがなく、塩害や湿気の影響を受けにくい点もメリットといえます。
しかし、デザインのバリエーションが少なく、日本ではあまり採用例が多くありません。
施工に慣れていない業者で工事を行うと、割れたり外れたりする可能性もあるため、施工業者の選定が非常に重要になります。
ただし、耐久性は長くメリットも多いので、メンテナンスの手間を抑えたい方に適した外壁材です。
モルタル
モルタルは、セメントと砂、水を混ぜて作られる外壁材で、サイディングと同様に国内でも多く採用されている特徴があります。
耐火性が高いのも大きな特徴ですが、乾燥や経年劣化によるひび割れ(クラック)が発生しやすく、補修が必要になることがあります。
また、塗装メンテナンスを怠ると防水性が低下し、内部に水が浸入するおそれがあります。
一方で、塗り壁や吹きつけなど塗装の仕上げ方を変えることで、デザインを変更できるので、手塗り独特の質感にこだわりたい方にもおすすめです。
タイル
タイルは、陶器や磁器で作られた外壁材で、高級感のある美しい仕上がりが特徴です。
耐久性・耐火性に優れ、汚れが付きにくいため、ほとんどメンテナンス不要で長期間美しさを保つことができます。
また、紫外線や風雨による劣化が少なく、色あせしにくいのも魅力です。
しかし、施工費用が高く、外壁材の中でもコストがかかる点がデメリットです。
また、重量があるため、住宅の構造によっては補強が必要になる場合もあります。メンテナンスの手間を減らし、長期間美観を維持したい方に最適な外壁材です。
ALC
ALCは、コンクリートに細かい気泡を含ませた外壁材で、高い断熱性・耐火性を持ちます。
軽量ながら強度があり、遮音性にも優れているため、静かで快適な住環境をつくりやすいのが特徴です。
また、耐震性にも優れ、地震の多い日本でも安心して使用できます。
ただし、吸水性が高いため、防水塗装処理を適切に施さないと劣化しやすくなります。
また、施工費用が高く、扱える業者が限られる点もデメリットです。
高性能な外壁材を求める方や、断熱性・遮音性を重視する方におすすめです。
外壁材の種類を決めるポイント
多くの選択肢がある中で、自分の家に最適な外壁材を選ぶためには、いくつかの判断軸が必要です。
価格、耐久性、メンテナンスの手間、そしてデザイン性、これらのバランスをどう取るかが重要となります。
そこでここからは、外壁材を選ぶ際に重視すべきポイントについて具体的に解説します。
仕上がり後に後悔しないためにも、どのような点に注意すべきかチェックしてみましょう。
価格・コスト
外壁材を選ぶ際、初期費用と長期的なメンテナンスコストのバランスを考えることが大切です。
例えば、窯業系サイディングやモルタル仕上げの外壁は比較的安価で、コストパフォーマンスに優れています。
一方、タイルやALCは初期費用が高いものの、メンテナンスコストを抑えられるため、長期的には経済的になることもあります。
このように、初期費用のほかにメンテナンスコストも考慮した上で、総合的なコストを判断することが重要です。
メンテナンス頻度
外壁材の耐久性やメンテナンス頻度も重要なポイントです。
窯業系サイディングやモルタルは、10~15年ごとの塗装メンテナンスが必要ですが、タイルや金属系サイディングはメンテナンス頻度が低く、長期間美観を保てます。
また、樹脂系サイディングは塗装などのメンテナンスが不要ですが、紫外線による色あせには注意が必要です。
外壁材を選択する際は、将来的なメンテナンスの手間や費用なども考慮しましょう。
カラー・デザイン
外壁は住宅の印象を決める重要な要素のため、デザインや色のバリエーションも選択のポイントになります。
窯業系サイディングは豊富なデザインがそろい、木質系サイディングは自然な風合いを楽しめます。
一方で、金属系サイディングはシンプルモダンな印象を与えるほか、タイルは高級感のある仕上がりが魅力といえます。
また、地域の景観や自分の好みに合わせることも重要なため、自宅環境に適したカラーやデザインを選びましょう。
既存の外壁の種類を見分けるコツ
リフォームや塗り替えを検討する際、「そもそも今の外壁って何の素材なの?」と疑問に思う方も少なくありません。
外壁材の種類によって、適切な工法やメンテナンスの方法が異なるため、まずは正しく見分けることが重要です。
そこでここからは、外観から判断するためのチェックポイントや、素材ごとの特徴的な違いについて分かりやすくご紹介します。
デザイン性の違い
外壁材は素材ごとに見た目や質感に大きな違いがあります。
例えば、窯業系サイディングは石目調・レンガ調・木目調などデザインのバリエーションが豊富で、住宅のテイストに合わせやすいのが特徴です。
一方、モルタルは塗り仕上げによって表情を変えることができ、職人の手仕事ならではの風合いで、タイルは高級感が魅力の外壁材です。
既存の外壁材を見分ける際は、模様の精巧さや色の深み、質感の違いに注目すると判断しやすくなります。
目地の有無
外壁の目地(継ぎ目)の有無によって、使用されている外壁材を見分けることができます。
例えば、窯業系サイディングには、パネルをつなぐための目地が一定の間隔で入っており、そこにシーリング材が施されているのが一般的です。
そのため、外壁に目地が均等に配置されている場合は、工場製パネルである可能性が高いです。
一方、モルタル外壁では、目地がほとんどなくフラットな仕上げとなっているので、簡単に見分けることができます。
このように、目地の状態を観察することで、外壁材の種類を推測することができます。
外壁の厚み
外壁材の厚みも種類を見分けるポイントになります。
一般的に、窯業系サイディングは14~16mm程度の厚さで、手で触るとやや厚みを感じます。
金属系サイディングは軽量化されているため、厚みは薄く10mm前後で、触れると金属特有のひんやりした感触があります。
ALCはさらに厚く、パネル自体が100mm近いこともあり、ほかの素材と比べてずっしりとした印象を与えます。
タイルやモルタル仕上げは表面の凹凸が少なく、下地との一体感があるのが特徴です。
このように、触感や断面の見え方を参考にすると、材質をより正確に見極められます。
まとめ
外壁材には、窯業系・金属系・木質系・樹脂系サイディングからモルタル、タイル、ALCまで多様な種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
外壁材を選ぶ際は、価格やメンテナンス性、デザイン性などを総合的に比較することが大切です。
また、リフォーム時には既存の外壁材を正しく見極めることも重要です。
住宅の性能と美観を両立させるためにも、素材の特性を理解し、ライフスタイルや地域環境に合った外壁材を選びましょう。
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