
外壁コーキングは、家の外観や構造を守るために欠かせない重要な役割を果たしています。
耐久性を高めるためのもので、雨風から建物を守る防水機能を持ちますが、時間の経過とともにコーキングは劣化して効果が薄れていきます。
劣化したコーキングを放置すると、雨漏りや外壁の傷み、さらには建物の構造自体に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
そこで本記事では、外壁コーキングの基本的な役割や必要性から、劣化症状の見極め方、メンテナンスの方法までを詳しく解説します。
外壁コーキングを長持ちさせるために大切なポイントについても触れますので、これから外壁改修をご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
外壁コーキングとは?
外壁コーキングは、建物の外壁とほかの構造部分を密閉し、隙間を埋めるための重要な材料です。
これによって外部の風雨や湿気の侵入を防ぎつつ、躯体の腐食や内部の環境を守ることができます。
そこでここからは、コーキングがどのように機能し、どのような種類があるのかを深掘りして解説します。
まずは、どのような役割があるのかをチェックしていきましょう。
コーキングってなに?
コーキングとは、建物の外壁とほかの構造物の隙間を埋めるために使用される材料のことです。
通常、シリコン系やウレタン系などの素材が使用されており、隙間に充填することで柔軟性を持ちながら埋めることができます。
コーキングは、風や水、温度変化などの外的要因から建物を守る重要な役割を果たします。
特に窓枠やドア枠、外壁の継ぎ目などに使用されており、構造の密閉性を高めて耐久性を向上させることができます。
コーキングの役割
コーキングは以下に挙げる3つの重要な役割を担っています。
- 防水性の確保
- 緩衝材としての役目
- 美感性の確保
まず、防水性の確保です。コーキングは外壁や窓枠などの隙間に水が浸入するのを防ぎ、建物の防水性を向上させる役割があります。
次に、緩衝材としての役目です。建物が揺れる際にコーキングが柔軟に動きを吸収し、外壁材のひび割れや破損を防ぐことができます。
最後に、美観を保つ役割もあり、外観を整えるためにも欠かせない素材です。
このようにコーキングにはさまざまな役割があり、どれも住宅にとって欠かすことのできない内容となっています。
コーキングの種類と特徴
コーキングには、シリコン系やウレタン系、アクリル系など、用途に応じたさまざまな種類があります。
例えば、シリコン系は防水性に優れ耐候性も高いため、屋外環境の外壁や窓の隙間に使用されることが多いです。
一方、ウレタン系は柔軟性があり、衝撃吸収に優れている特徴があります。
ただし、紫外線の影響を受けやすい性質があり、ウレタン系のコーキング材を露出させて仕上げるのは避けるべきです。
基本的に、塗装下地として使用することが多いです。
アクリル系は乾燥が早く安価であるため、一般的な建物に使用されます。
ただし、耐久性が少し低いため、室内など紫外線の影響を受けにくい場所で使うことが多いです。
外壁コーキングが必要な理由
隙間から浸入する水分が建物内部にダメージを与える原因となるため、コーキングが防御壁となります。
そのため、外壁コーキングは、建物の防水性と構造的な安定性を維持するために欠かせません。
そこでここからは、建物にとって重要な役割を持つコーキングの必要性について、詳しく解説します。
防水性の確保
コーキングのもっとも重要な役割の一つは、建物を雨水から守る防水性の確保です。
例えば、外壁の目地や窓枠、ドア枠などの継ぎ目にコーキングを施すことで、雨水や湿気が建物内部に侵入するのを防げます。
水分の侵入を防ぐことで、壁の内部が腐食したりカビが発生したりするのを抑え、建物の寿命を延ばすことができます。
特に雨風の影響を受けやすい部分において、コーキングは欠かせないといえるでしょう。
緩衝材としての役割
コーキングは、建物の動きに柔軟に対応する緩衝材としても機能します。
例えば、モルタルやコンクリートの外壁は、地震や風、温度変化などによって外壁が微妙に伸縮します。
この際にコーキングが動きを吸収してくれるため、外壁のひび割れや破損を防いでくれます。
コーキングの柔軟性によって、建物の構造を傷めてしまうことがなく、長期的に建物を保護できるわけです。
また、昨今ではサイディングのようにパネルを張って仕上げる方法の外壁材でも、目地部分にコーキングを充填することで、揺れや振動によって外壁材が欠損するのを防いでくれます。
このようにコーキングは、振動や衝撃を受けやすい部分で重要な役割を担っています。
外壁コーキングの劣化症状について【段階別】
外壁コーキングも時間とともに劣化するため、状態が悪化すると建物の防水性や構造に影響を与えてしまいます。
外壁コーキングの劣化は急に起こるものではなく段階的に進行するため、早期の発見と対応が重要です。
そこでここからは、コーキングの劣化症状を段階別に解説します。
また、各症状が進行する原因やその影響についても触れますので、早期対処の重要性を確認していきましょう。
①硬くなる(硬化現象)
コーキングが硬化する現象は、紫外線や温度変化、風雨などの外的要因(経年劣化)により引き起こされます。
コーキングの素材は本来柔軟性を持ち、建物の動きに追従しますが、長期間の使用により硬化して本来の柔軟性を失います。
硬化したコーキングは、微細な隙間や伸縮に対して柔軟に対応できなくなるため、ひび割れやはがれの原因となります。
これにより防水性が低下し、最終的には雨水などが建物内に侵入するリスクが高まります。
そのため、コーキングの硬化が進行する前に交換や補修を行うことが重要です。
硬化現象は強い紫外線を浴びる屋外で早く進みやすいので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
②肉やせ
肉やせとは、コーキングが収縮して元の体積が減少し、細くなっていく現象のことを指します。
肉やせが起きる要因としては、打設直後に硬化していく過程で、揮発成分がなくなることでやせてしまうパターンがあります。
乾燥工程において起きる肉やせの症状は、必ず起こる現象なので特に問題視するようなものではありません。
一方で、経年劣化によって起きる肉やせの症状は、放置すると問題になることが多いので注意が必要です。
経年劣化の場合、紫外線などの外的要因によって、コーキング材に含まれる成分の体積が減ることで起きます。
これによってコーキング本来の性能が失われてしまうため、雨水の浸入などが起こり、症状によっては雨漏りが発生することもあります。
このような肉やせを防ぐためには、定期的な点検が不可欠であり、早期に補修や打ち替えを行うことで建物の構造を保護できます。
③ひび割れ・断裂
コーキングのひび割れや断裂は、建物の揺れや経年劣化により生じます。
コーキングは柔軟性を持つため、外部の圧力に対応することができますが、劣化により柔軟性を失うとひび割れが発生しやすくなります。
コーキングが硬化したり肉やせが進行したりすると、建物の動きに追随できなくなり、ひびが入り最終的には断裂します。
ひび割れが広がると防水性が完全に失われるため、早急な補修が必要です。
外壁コーキングのメンテナンス費用相場
外壁コーキングのメンテナンス費用は、一般的に打ち替えで1mあたり1,000~1,500円程度が相場です。
一般的な2階建ての住宅の場合、15万円から20万円程度の予算を見ておけばよいでしょう。
なお、アパートやマンションのような集合住宅の場合、上記の単価よりも下がる傾向があります。
詳細の金額については、各業者から見積もりを取って確認しましょう。
外壁コーキングの補修で注意すべきポイント
コーキングの補修は単なる作業ではなく、慎重に行わなければならない重要な作業工程です。
間違った方法で補修を行うと、効果が薄れたり、逆に問題を悪化させたりすることがあるので注意が必要です。
そこでここからは、外壁コーキングの補修時に注意すべき重要なポイントを整理しつつ、効果的に補修を行うための基礎知識を解説します。
増し打ち厳禁!補修は必ず打ち替えにする
コーキングの補修時に増し打ちを行うことは厳禁です。
増し打ちとは、既存のコーキングの上に新しいコーキングを打設する方法ですが、打ち替えと違って厚みを持たせられないので防水性が確保できません。
劣化した部分は完全に取り除き、新しいコーキングを打ち替えることが必要です。
適切な補修を行うためにも、必ず打ち替えを選択しましょう。
外装リフォームと同時施工で足場代を節約する
外壁のコーキング補修は、外装リフォームと同時に行うことで、足場設置費用を節約できます。
外装リフォームを行う際に、コーキングのメンテナンスも併せて実施することで、効率的にコストを抑えることができます。
足場の設置撤去費用は一般的な戸建てで20万円程度かかるため、これが1回で済めば相応のコストカットになるでしょう。
施工後の定期点検も欠かさないこと
コーキングの劣化は時間とともに進行するため、施工後も定期的な点検が大切です。
年に1回はコーキングの状態をチェックし、ひび割れやはがれがないか確認することが重要です。
早期に発見して補修することが、長期的に建物を守るためには欠かせません。
安心して暮らすためにも、定期的なメンテナンスを実施しましょう。
まとめ
外壁コーキングは、建物の防水性や構造を守る重要な要素です。
劣化症状を早期に発見し、適切なメンテナンスを行うことで、長期的に建物を守りコストを抑えることができます。
補修は打ち替えを優先し、外装リフォームと同時に施工することで費用を削減できます。
定期的な点検を実施し、コーキングの劣化を未然に防ぎましょう。
///// CTAセクション
外壁塗装をご検討中の方は、住宅リフォーム専門店のエルカまでご相談ください。弊社は創業120年以上、30,000件以上の施工実績があり、品質の高い工事を適正価格で提供しております。
一戸建て住宅からマンション・アパートなどの集合住宅まで幅広く対応しております。豊富な経験と知識を元に最適なご提案を致しますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
https://eruka.jp/eruka/index.html