定期的に必要になる住宅のメンテナンスには、補助金や助成金を受け取れるものがあります。住宅のメンテナンスは費用が高額になることもあり、できればぜひ利用したいですよね。外壁塗装にも補助金や助成金があるので、利用できないか事前に調べておくことをおすすめします。
今回は、外壁塗装で利用できる補助金や助成金についてご紹介します。
■外壁塗装で利用できる助成金・補助金の種類
以下では、助成金・補助金制度の概要や利用できる外壁塗装の種類を詳しく解説します。
・各都道府県で設けられている制度
助成金と補助金は、主に各都道府県の自治体によって設けられている制度です。
自治体によって制度の名称や利用条件、内容などが異なるため、事前によく調べてから利用しましょう。
以下では、3つの自治体の例を紹介します。
①東京都目黒区
東京都目黒区では、「住宅リフォーム資金助成」を利用できます。助成金額は、外壁塗装にかかった費用の10%(上限10万円)です。区分所有登記していない一戸建ての住宅が対象です。
②大阪府摂津市
大阪府摂津市で使用できるのは、「住宅リフォーム補助金」です。外壁塗装にかかった費用の50%(上限25万円)が補助されます。
補助対象者は、子または親との同居や近居を目的としてリフォーム工事を行い、転居した人です。
③福岡県飯塚市
福岡県飯塚市では、「飯塚市定住促進住宅改修補助金制度」が利用できます。補助金額は外壁塗装にかかった費用の10%(上限8万円)で、飯塚市の住民基本台帳に登録している人が所有・居住している住宅が対象です。
・ヒートアイランド対策
「遮熱塗料」は、太陽光を反射しやすい塗料で、夏場の屋内温度の上昇を防ぐ効果があります。
外壁塗装に「遮熱塗料」を使用すると、ヒートアイランドや地球温暖化の対策となり、助成金・補助金の支給対象になる可能性が高まるでしょう。
エアコン使用の抑制にもつながるため、電気代の節約にもなります。
・エコリフォーム
エコリフォームとは、省エネ対策が目的のリフォーム工事です。
窓や外壁、天井などの断熱リフォームと、珪藻土(けいそうど)や天然木などの自然素材を使うリフォームの2つに分類されます。
エコリフォームも地域や環境に貢献している工事であるため、助成金や補助金の対象です。
・助成金と補助金の違い
助成金・補助金制度は、どちらも支給目的で設けられている返済不要の制度です。
助成金は条件を満たすと受給できますが、補助金は審査を通過する必要があります。
しかし外壁塗装の場合、自治体によっては助成金であっても抽選が行われることがあるため、実際あまり大きな差はないと言えるでしょう。
・どれくらいの金額が受け取れる?
受け取れる助成金・補助金の金額は、外壁塗装の工事でかかった費用の5〜50%程度と自治体によって異なります。
仮に先述した福岡県飯塚市で100万円の外壁塗装工事をする場合、100万円×10%=10万円という計算ですが、受け取れる上限が8万円なので、工事の負担額は92万円です。
大阪府摂津市で同様の工事をした場合は、100万円×50%=50万円ですが、上限の25万円が受け取れるので、負担額は75万円です。
名称や利用条件などは多少異なる部分があるものの、同じ工事でも自治体によって受け取れる助成金額が異なることがわかります。
■助成金や補助金を利用する方法
助成金・補助金の利用の流れや必要書類について詳しく見ていきましょう。
・利用の流れ
助成金・補助金を利用する際の流れは以下の通りです。
①助成金・補助金について調べる
まず、自分の住んでいる自治体が、外壁塗装に対して助成金・補助金の支給を行なっているかどうかを確認しましょう。
助成金・補助金の有無は、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で簡単に調べられます。
また、助成金・補助金制度が設けられている自治体でも、時期や申請者数によっては利用できない可能性があるため、一度電話や窓口で問い合わせてみるのがおすすめです。
②工事前の相談や申請
次に、業者と工事内容についての相談を行い、見積書の作成を依頼します。
見積書を受け取った後は、工事が始まる前に各自治体の窓口で助成金・補助金の申請をしましょう。
工事後に申請してしまうと、助成金・補助金を受け取れなくなってしまう可能性があるため、注意が必要です。
③工事の報告
工事後は、一般的に工事前と工事中、工事完了後の写真を各自治体に提出する必要があります。
また、工事範囲や使用する塗料に変更があった場合も報告が必要です。
これらの報告が漏れると助成金・補助金を受け取れなくなってしまう可能性があります。
④補助金や助成金を受け取る
工事後に必要書類を提出し、すべての手続きが完了すると、約1〜2か月で助成金・補助金が振り込まれます。
書類に何か不備があった場合は、振り込みが遅れることもあるため、手続きは抜かりなく行いましょう。
・申請で必要になる書類
助成金・補助金の申請に必要になる主な書類は、「工事の見積書」や「登記事項証明書」「助成金・補助金の申請書」「リフォーム計画図」などです。
工事後には「工事前〜完了後の写真」や「工事完了届」、「実績報告書」などが必要になるため、準備しておきましょう。
また、自治体によっては「建築基準法の確認済証」や「課税資産明細書」、「固定資産登録事項証明書の写し」などの提出が必要な場合もあります。提出物は事前によく確認し、不備のないようにしましょう。
・手続きが不安な場合は施工業者に相談を
助成金・補助金の申請は少々複雑であるため、手続きが面倒に感じる方や不安に思う方もいらっしゃるでしょう。その場合は、施工業者に相談するのがおすすめです。
できるだけ助成金・補助金についての知識や経験が豊富な業者に依頼し、不安や疑問を解消しましょう。
なかには手続きを代行してくれる業者も存在するため、よく調べてみてください。
■補助金や助成金を利用する際の注意点
補助金や助成金を利用する際には、以下4つの点に注意しましょう。
・住宅によっては遮熱塗装が向かない
遮熱塗料の使用が、助成金・補助金支給の条件になっていることがあります。
しかし、遮熱塗装は冬場も太陽光を反射してしまうため、寒冷地や屋内の気温が低くなりやすい住宅には向いていません。
寒冷地や雪が多く降る地域では、外気温の影響を受けにくい断熱塗料を検討してみましょう。
・条件が合致しても利用できないことがある
助成金と補助金の予算は各自治体であらかじめ決められているため、条件が合致していても受給できない場合があります。
申請する人数が多いと先着順や抽選になる可能性もあるため、早めの申請を心がけましょう。
・時間には余裕をもっておく
助成金・補助金の申請には、複数の書類を準備する手間がかかります。
加えて、書類に不備があると申請が通らなかったり、振り込みが遅れたりしてしまう可能性もあります。手続きは時間に余裕をもって行いましょう。
・外壁塗装以外も同じ業者に依頼する
外壁塗装工事以外にもリフォームを考えている場合は、同じ業者にまとめて依頼するのがおすすめです。
同じ業者に依頼すると、工事費用が助成金・補助金の対象となり、足場代や車両代なども節約できるため、他の工事を考えている場合は同じ業者に依頼しましょう。
■助成金や補助金の利用を考える際にはここをチェック
助成金や補助金の利用を考える際にチェックするべきポイントを4つ紹介します。
・支援制度の検索方法
自分の自治体が助成金・補助金制度を設けているかどうかは、「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」で調べるのがおすすめです。
自分の住んでいる市区町村と制度内容をクリックするだけで、簡単に調べることができます。
しかし、古い情報がサイトに記載されている場合もあるため、正確な情報は自治体のホームページや電話などで確認するようにしましょう。
・リフォームローンの活用も考える
万が一、助成金や補助金が受け取れなかった場合は、リフォームローンの活用も検討してみましょう。
遮熱や断熱塗装を使用した省エネリフォームであれば、最大で10年間の所得税控除を受けることが可能です。
・業者選びのポイント
助成金・補助金の申請にはさまざまな手続きが必要であるため、できるだけ制度に関する知識や経験が豊富な業者に依頼するのがおすすめです。
地域密着型や自治体と連携した施工実績がある業者は、制度の内容や必要な手続きについての知識があり、安心して依頼することができるでしょう。
また、なかには安さをアピールしていたにもかかわらず、工事後に高い金額を請求してくる悪質な業者も存在します。そのため、できるだけ料金体系や見積書がわかりやすい業者を選ぶようにしましょう。
最初から1社に絞らず、2〜3社に相見積もりを取り、比較検討することも大切です。
・火災保険も適用になる!?
火災保険は、火災による被害以外の場合でも利用できます。
戸建て向けの火災保険の種類は、大きく分けて「住宅火災保険」と「住宅総合保険」の2種類です。
住宅火災保険では、落雷や強風、ひょうなどによる被害も補償の対象です。
住宅総合保険の場合は、住宅火災保険の補償内容に加えて、水害や盗難による外壁への損害なども補償内容に含まれます。
そのため、何らかの災害が原因で外壁のリフォームを行う場合は、一度自分が加入している火災保険の補償内容を確認してみるとよいでしょう。
■まとめ
外壁塗装の助成金や補助金の申請は、各自治体の窓口で行えます。申請には複数の書類や資料の提出、自治体へのこまめな報告などが必要になるため、できるだけ信頼できるリフォーム業者に依頼しましょう。
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