最近は太陽光パネルを設置している住宅が増えています。
しかし、屋根塗装を考えている場合、太陽光パネルがあっても施工できるのか心配になりますよね。
そこで今回は、屋根リフォームの際に太陽光パネルを設置したままでも屋根塗装ができるのかについて、解説いたします。
■太陽光パネルを設置した屋根でも屋根塗装は必要?
太陽光パネルを設置している住宅は年々増加していますが、屋根塗装が必要かどうかを把握している人はそれほど多くないでしょう。
そこで、太陽光パネルと屋根塗装の基本について解説します。
・太陽光パネルを設置していても屋根塗装は必要
太陽光パネルを設置している場合でも屋根塗装は必要です。太陽光パネルの下は紫外線や雨が直接当たることはありませんが、太陽光パネルに覆われていない部分は劣化しているので塗装を行わなくてはなりません。
太陽光パネルは強風で煽られるのを防止するため、基準に従い軒先から一定の距離をとって設置されています。そのため、太陽光パネルを設置していても屋根の一部分が露出しているので、その部分には屋根塗装を行う必要があります。
・太陽光パネルの脱着はしたほうがいい?
太陽光パネル直下の屋根はほとんど劣化しないため、脱着して塗装する必要はありません。むしろ脱着しないほうがよいでしょう。
というのも、太陽光パネルを脱着する費用は高額で、20万円程度かかるのが一般的です。また、着脱によって不具合が生じた場合、メーカーの保証対象から外れてしまう可能性もあります。
・太陽光パネルの設置前に塗装をしておくとよい
太陽光パネルの寿命は30年程度とされており、一度設置すると長期間取り外すことはないでしょう。ですので、これから太陽光パネルを設置する場合は、事前に屋根塗装を行うことをおすすめします。
太陽光パネルの設置と屋根塗装の2つの施工を別々に行うと、それぞれに足場の設置が必要になります。足場の設置費用は1回あたり20~30万円程度かかりますが、同時に行えば1回分の費用を削減できるというわけです。
■太陽光パネルが設置された屋根塗装の注意点
太陽光パネルが設置された屋根の塗装を行う場合、普通の屋根塗装とは違う点があるので注意しましょう。
・施工中は発電量が低下することがある
施工中は塗料付着を防止する目的で太陽光パネルを養生シートなどで覆います。 これにより太陽光がさえぎられ、発電量が下がってしまうことを理解しておきましょう。
しかし、屋根塗装は一般的に3日程度で施工が完了するので、影響は限定的だと考えられます。
・施工後は必ず発電できるか確認する
施工業者は細心の注意を払って塗装を行いますが、施工後は念のため太陽光パネルがこれまで通り発電できているかを確認しましょう。そして、この確認は足場を解体する前に行うのがポイントです。
足場の解体後に発電できていないことがわかった場合、状況確認や修理のために再度足場を設置しなくてはなりません。追加の費用が発生することのないように、タイミングに気を付けてしっかりと確認しましょう。
・太陽光パネルに負荷をかけない
多くの施工業者は太陽光パネルが設置された屋根塗装の実績があるので心配いりませんが、実績がなかったり太陽光パネルを雑に扱ったりする業者も存在するので、注意が必要です。施工を依頼する際は、太陽光パネルの破損を防ぐために以下の2点を確実に伝えましょう。
- 太陽光パネルの上に乗らない
- 高圧洗浄を避け、低圧で太陽光パネルの汚れを落とす
・事前に屋根の状態を確認する
屋根の劣化状態によっては塗装ができないケースもあります。その場合は、葺(ふ)き替えなど塗装以外の施工が必要になるため、塗装の前に屋根の状態をきちんと確認してもらいましょう。
屋根が劣化した状態のままで塗装を行なっても、劣化の進行を止めることはできず、塗装の効果を十分に得ることはできません。屋根を長く守るためには、屋根の状態をチェックして必要な施工を行うことが大切です。
■太陽光パネルが設置された状態の屋根塗装方法とは
太陽光パネルが設置された屋根の場合、リフォームがどのように行われるのか不安に思う人もいるかもしれません。そのような方は、これから紹介する3点を確認しておくと安心です。
・どのような方法で塗装する?
太陽光パネルが設置されている場合でも、施工方法は通常の屋根塗装とほとんど同じです。大きく違う点は費用です。屋根塗装は塗装面積によって費用が決まりますが、太陽光パネルが設置されている屋根は露出している箇所だけを塗装します。そのため、塗装面積が狭くなり、費用を安く抑えることができるのです。
・できれば外壁塗装とまとめて行うほうがよい
屋根塗装を行うのであれば、同時に外壁塗装も行うとお得です。足場の設置が1度で済むので費用を抑えることができ、まるで新築のような外観になるでしょう。
・塗装におすすめのタイミングは?
屋根塗装はそれほど頻繁に行うものではないため、タイミングの判断が難しいのも事実です。塗装のタイミングは主に3つあります。
<太陽光パネル設置前>
これから太陽光パネルを設置する場合は、設置前に塗装を行いましょう。そうすれば全面を塗装でき、美しい屋根に仕上がります。
また、屋根塗装と太陽光パネルの設置を同じタイミングで行うと、足場設置費用が削減できて施工期間も短くなるのでおすすめです。
<屋根の状態によって判断>
屋根の塗装が剥がれている、ひび割れがある、雨漏りするなどの劣化症状がある場合には塗装が必要です。屋根の状態によっては塗装以外にも修繕が必要になります。放置しておくと屋根だけでなく住宅全体にも影響を及ぼすので、早めに施工業者に相談しましょう。
<太陽光パネル撤去時>
太陽光パネルを撤去するタイミングも屋根塗装をするのにおすすめの時期です。パネルを設置している箇所とそうでない箇所では屋根の劣化具合も異なるので、屋根の状態をチェックしながら塗装を行い、屋根を均一の状態にしておくとよいでしょう。
■まとめ
太陽光パネルを設置している場合でも、露出がある箇所には塗装が必要です。施工中は一時的に発電量が低下することがありますが、大切な家屋を守るための屋根塗装は定期的に行いましょう。屋根の状態の判断は素人には難しいので、塗装のタイミングなども併せて早めに施工業者に相談しましょう。